技術士資格

技術士とは

技術士法第2条は、技術士を次のように定義しています。

  • 「技術士」とは、第32条第1項の登録を受け、技術士の名称を用いて、科学技術に関する高等の専門的応用能力を必要とする事項についての計画研究設計分析試験評価またはこれらに関する指導の業務を行う者(他の法律においてその業務を行うことが制限されている業務を除く。)をいう。
  • 「技術士補」とは、技術士となるのに必要な技能を修習するため、第32条第2項の登録を受け、技術士補の名称を用いて、前項に規定する業務について技術士を補助する者を言う。

特徴

  1. 国家認定の技術系最高資格である。
  2. 業務独占資格ではなく、「名称独占資格」である。
  3. 土木系技術士に関してはコンサルタント業務の受注に必要な資格である。
  4. 他の技術系資格を取得する際に一部試験を免除されることがある。

私は、以前にまちづくり系のコンサルタントに努めたので必要性を感じて取る決心をしました。公務員を含む土木技術者は勉強する価値があると思いますよ。

 

技術士になるためには

技術士法に基づく文部科学大臣の指定試験機関として、公益社団法人日本技術士会が実施する試験に合格しなければなりません。1次試験は誰でも受験できますが、2次試験は受験資格を満たす必要があります。通算従事年数をクリアすれば、1次試験と2次試験を続けて受けられます。

技術士資格の更新

現在のところ技術士資格の更新制度はありません。しかし、技術士制度改革について(提言)(中間報告その2)の中で更新制度の導入が謳われています。また、文部科学省の科学技術・学術審議会技術士分科会は令和元年5月10日、新たに制度検討特別委員会の中に継続研さん・更新検討作業部会を設立しました。

 

試験

第一次試験

  1. 全科目択一試験
  2. 受験資格 年齢・学歴・業務経歴等による制限はありません。
  3. 試験日 10月中旬
  4. 申込書配布期間及び申し込み期間 6月中旬から7月初め
  5. 受験手数料 11,000円
  6. 合格発表 12月

平成31(2019)年度 技術士第一次試験の実施について

第二次試験

  1. 筆記試験と口頭試験(総合技術監理部門には一部択一試験あり)
  2. 受験資格 技術士補となってから4年(総合技術監理部門を除く技術部門)か7年(総合技術監理部門)、技術の仕事についてから同じく7年か10年
  3. 試験日 筆記 7月中旬 口頭 11月~1月
  4. 申込書配布期間及び申し込み期間 4月1日から下旬
  5. 受験手数料 14,000円
  6. 合格発表 10月、口頭試験は3月

平成31(2019)年度 技術士第二次試験の実施について

合格率

  1. 一次試験 3割程度 平成30年度技術士第一次試験
  2. 二次試験 例年1割強の合格率であったが、2018年度は6パーセントに急落した。

ここ2,3年で難易度が急激に上昇しています。口頭試験についても安泰というわけではないようです。

合否判定基準 

その他の試験情報については公益財団法人日本技術士会のHPをご覧ください。

 

勉強方法

一次試験

過去問を見て昔の教科書を再度勉強するしかありません。択一ですから記憶力とある程度の数学、物理の知識が要ります。コツというものはありません。

二次試験

論文作成のコツと問題予想の精度が要求されます。

論文作成のコツ

  • 問題文をよく読んで、何を求めているのかを明確にして、
  • 現状、課題・問題点、対策という論理構成を練って、
  • 見やすく、要領よくまとめる。

という風に言うのは簡単ですが、論文を書いてみて慣れる必要があります。すでに技術士を持っている人に添削してもらうとよいでしょう。私は以前、まちづくりコンサルタントの職場で、自分でも個人事務所をやっている先輩女性技術士の方から次のようなアドバイスを受けました。

論文は威張って書け

もっと知りたい人は、作成のコツを教えてくれるサイトもあるようです。探してみてください。

問題予想のコツ

過去問をあたれ!

まず、自分が受けようとする部門の過去問を当たります

専門的事項については、傾向をつかんで参考書などを読むだけです。テクニカルタームについては簡潔にまとめておいた方がいいでしょう。

その上で一般的な事項については、過去の傾向から出そうな問題を予想します。私の受験したときは、災害対策、復興、事業再評価などなどでした。

国土交通白書を買え!

勉強方法としては、まず国土交通白書を買います。ネットでも読めますが全部ダウンロードするのは大変。問題は毎年、白書が発刊されるのがメッチャ遅いということです。どうしても昨年度の白書で勉強することになります。これはこれで大きな傾向をつかむのに役に立ちますが、一番ホットな話題には遅れますし、白書をダラダラ読んでもどこに焦点を当てたらよいのか今一わかりません。

国土交通省のホームページで最新情報をチェック!

そこで、私が取った勉強方法は国土交通省のホームページを研究することでした。

ここで基本的な事柄や数字を押さえておかなければなりません。さらに、今どんな話題が議論されているのか?。これをつかむことが非常に重要です。

技術士試験は最新の知見を開陳する場ではありません。解答が存在するんです。

試験問題を作成しているのは、恐らく国の官僚か大学教授、民間ゼネコン・コンサルタントの委嘱された人たちじゃないでしょうか。公開されてないけど。

自分が試験問題作成者になるとすれば、昨年の問題にかぶらずにそれなりに解答の材料が存在するものを探しますよね。とすると法令などで決まったことか、でなきゃ国の審議会などで議論されておりパワーポイントや参考資料が揃っていて、専門家の先生が意見を述べているようなものがいいと思うわけです。

作問委員は前年度末に推薦され、2月末に最初の総会が開かれて、3ヶ月程度の作問期間があるようです。てことは、3月から6月くらいにかけて問題を作ることになるんじゃないでしょうか。勝手な想像ですけど。

ごく最近で言えば例えばこんな話題が見つかりました。

社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会技術部会社会資本メンテナンス戦略小委員会

少なくとも私はこの方法でけっこううまく行きました。ただ私は一部部門しか持っていませんので、河川、上下水道、施工管理などは、これに当てはまるかどうかは正直わかりません。部門や専門によって違うと思います。

総合技術監理部門は「青本」 「キーワード集」を攻略すべし

とりあえず「技術士制度における総合技術監理部門の技術体系」(青本)を買いましょう。これ一本で大丈夫です。他の参考書は要りません、というか無いです。あとは経験と知識を総動員するのみです。

とりあえず総合技術監理部門 キーワード集をダウンロードしましょう。キーワードについては自分で調べるしかありません。参考書も出ているようですから買ってみてもいいかもしれません。青本も参考にはできると思います。青本が陳腐化しているところはありますが、各管理部門の考え方がおおきく変わったわけではないでしょう。

総合技術管理のキーワード集(国土交通省)

択一試験と論述試験があります。択一で足切りされます。択一のほうが難しいかもしれません。

総監参考書

口頭試験

前までは、口頭で落ちる率は低かったのですが、最近の傾向として難しくなってきているようです。なめてかからずに、申し込み時の小論文や二次試験での解答をよく読み直して質問されそうな項目を予想して簡潔に答えらるようにシミュレーションしておきましょう。

試験官によっては、結構辛辣な質問をしてくることもありますので、冷静かつ的確にこたえなければなりません。コンサルタントとして報酬を得て仕事をするための態度やスキルも見られています。

試験は東京で行われます。いつも渋谷でした。試験代金は最初に払った料金に含まれていますが、旅費が痛いです。口頭試験まで行かないと試験代がもったいないです。

挑戦してみよう!

まだ若くて先の長い人も、もうそろそろの人も挑戦してみてね!

 

独学に自信のない人はこちらで勉強してくださいね。

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